高血圧の予防には…オプション検査「尿ナトカリ比」のご案内
高血圧の予防には塩分摂取を一日6g未満、ナトカリ比2未満に
収縮期血圧140mmHg以上かつ、または拡張期血圧90mmHg以上であれば高血圧と診断されます。しかし、120/80mmHgを超えるほど脳心血管病、慢性腎臓病などの死亡リスクが高くなる事が知られています。また、我が国での脳心血管血管死亡の50%が120/80mmHgを超える血圧高値によるとされています。この様に血圧を管理することは非常に大事ですが、我が国の高血圧患者数は4,300万人でその多くが管理不良であると推定されています。
ナトリウム(食塩)の過剰摂取が血圧上昇と関連があることは、多くの研究によって明らかにされています。食塩摂取量を 1 g/日減らすと収縮期血圧で約 1mmHg 強の降圧が期待でき、また、25~30%の減塩により長期の循環器疾患リスクが 30%低下したことが報告されています。2025年度日本人の食事摂取基準では実現可能性を判断して、目標食塩摂取量を男性7.5g/日、女性6.5g/日としています。しかし世界保健機関(WHO)は,世界の人の減塩目標を5gにしました。また日本高血圧学会も、脳心血管疾患予防の観点より食塩摂取量6g/日未満を強く推奨しています。
一方、野菜や果物に多く含まれるカリウムは容量依存的に血圧を下げる効果が確認されており、WHOでは3.5g/日以上の摂取を推奨しています。2025年度日本人の食事摂取基準ではカリウム男性3.0g/日以上、女性2.6g/日以上の摂取を目安量としています。しかし、慢性腎臓病のある方は、カリウムが制限されますので主治医と相談が必要です。また近年、尿ナトリウム/カリウム比がナトリウム、カリウム単独より高血圧と関連している事も報告され、尿ナトリウム/カリウム比は至適目標として2未満、実現可能目標として4未満が推奨されています。
厚生連滑川健康管理センターでは、健診時に検尿で一日塩分、カリウム摂取量、尿ナトリウム/カリウム比をオプションで検査(令和7年4月開始・当日申込可能)できますので是非ご利用ください。