新年あけましておめでとうございます。
令和6年は能登半島地震が元日に発生し、不安な幕開けとなりました。5類感染症になった新型コロナウイルス感染症は、沈静化することを願っていましたが、令和6年になってもセンターはコロナ禍の影響を受け、現在もその対応に苦慮しています。
一方、昨年はセンター独自の理念・基本方針を定めることができ、これに沿ったセンター運営を始めることができるようになりました。また今年度から開始した「もの忘れ健診」が滑川市の高齢者MCI検診に採用され、滑川市そして滑川市医師会と協力し、新たな事業を始めることができました。
このように昨年は、困難な年ではありましたが、新しくチャレンジすることができた年でもありました。今年も「安心」をキーワードに活動し、受診者皆様の健康づくりに貢献したいと思いますので皆様の益々のご指導・ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。
厚生連滑川健康管理センター
所長 山本正和
滑川市は、今年11月から高齢者MCI検診を開始しました。この検診は、認知症前段階のMCI(軽度認知障害)を早期に発見するものです。
当センターでも毎週月曜日午後に予約制で実施しています。もの忘れなど認知症が気になるようになった市民の方は、是非、この検診をご利用ください。
(詳しくは、滑川市のホームページ(https://www.city.namerikawa.toyama.jp/soshiki/28/4/8004.html)をご参照ください。)
当センターの理念・基本方針・受診者さまの権利・受診者さまの責務を以下のごとく決定しましたのでお知らせいたします。
「理念」
みなさまが健康長寿で、安心していただけるよう支援する健康管理センターを目指します
「基本方針」
地域住民および農家組合員の健康維持・増進に努めます
安全で信頼性の高い健診を行い、疾病の予防・早期発見に努めます
個人を尊重し、個人にあった健診に努めます
職員の専門性を高め、知識・技術の研鑽に努めます
「受診者さまの権利」
個人の尊厳が守られる権利があります
プライバシーが保障される権利があります
適切な情報と説明を受ける権利があります
適切な健診を受ける権利があります
自ら健診内容を選択し、決定する権利があります
「受診者さまの責務」
的確な健診結果を得るために、自身の健康や疾病に関する情報を提供してください
全ての受診者さまが安心して健診を受けられるよう配慮してください
職員が適切に業務を行えるよう協力してください
今後、当センターはこの理念に沿い、受診者さまが健康長寿になられますよう、また健診を受けて安心して日常生活を送っていただけるよう努力してまいります。
滑川健康管理センター所長
山本正和
前回、ホームページで認知症について解説しました。要約すると以下の通りです。①現在、多くの人が認知症に罹患しており、今後も増えることが予想されている。②健常から軽度認知障害(MCI)を経て認知症へ進む。③MCIは、認知症の前段階だが、健常に回復する人もいる。④認知症を予防するためにはMCIの状態を早期に診断し、健常に回復できるように対処することが重要である。
上記のようなことから厚生連滑川健康管理センターでは、主に軽度認知障害(MCI)の方を早期に発見し、状態を改善していただくために「もの忘れ健診」を今年4月から実施することにしました。
「もの忘れ健診」で異常が認められれば専門医による診察が必要です。MCIの診断には、医師がいろいろ質問し、正しく答えられるかを診るだけではなく、回答の内容や反応などを含めて診断しますが、「もの忘れ健診」自体は、約10分程度の質問に答えるだけのもので負担の少ない健診です。
どのような病気でも早期発見が大切です。MCIと診断された人のうち、1年で5~15%の方が認知症に移行するが、1年で16~41%の方が健常に回復することも報告されています。MCIの状態を早期に発見し、適切に対処することで認知症になることを防げる可能性があります。
「もの忘れが気になってきた」「料理の手順が分からなくなってきた」「最近、仕事の失敗が多くなってきた」など少しでも認知症が心配になってきた方は気軽に「もの忘れ健診」を受けられることをお勧めします。この「もの忘れ健診」が軽度認知障害(MCI)や認知症を早期発見し、認知症の発症・重症化を防ぐ契機になればいいと考えています。
参照:
内閣府「平成29年度版高齢社会白書」
認知症疾患診療ガイドライン2017
厚生連滑川健康管理センター
山本正和
昨年6月に認知症基本法が成立し、令和6年1月1日から施行されました。
認知症は、高齢化が進む我が国では、喫緊の課題です。「日本における認知症の高齢者人口の将来推計に関する研究」の推計では、65歳以上の認知症患者数は2020年に約602万人、2025年には約675万人と5.4人に1人程度(有病率18.5%)が認知症になると予想されています(図1)。また認知症の前段階である軽度認知障害(MCI)も約20%罹患していると報告されています。
(図1)
厚生労働省によれば認知症とは、「いろいろな原因で脳の細胞が死んでしまったり、働きが悪くなったためにさまざまな障害が起こり、生活するうえで支障が出ている状態(およそ6ヵ月以上継続)を指します」としています。認知症は病名ではなく、そのような状態を言い、日常や社会生活に支障がない場合は認知症と診断されません。
認知症は、健常からMCIを経て認知症に移行します。MCIは認知症ではありませんが、認知症直前の状態です。図2に示すように年5~15%の方がMCIの状態から認知症に移行します。一方、健常に回復する方も年16~41%いると考えられています。しかしアルツハイマー病などで認知症の状態になってしまった場合、根本的にはMCIへ戻ることは現在の医療では困難であると考えられています。MCIから認知症に進まないようにするため種々の試みがなされており、MCIの状態を早期に診断し、健常に回復できるように対処することが重要です。
(図2)
参照:
内閣府「平成29年度版高齢社会白書」
認知症疾患診療ガイドライン2017
厚生連滑川健康管理センター
山本正和
新年のご挨拶を申し上げます。
今年は、元日から富山県に震度5強の地震が、2日には羽田で航空事故が発生し、波乱の幕開けになりました。
振り返れば昨年は、新型コロナウイルス感染症が5類感染症に移行しましたが、インフルエンザが夏に流行り、過ごしやすいはずの秋が短かったなど異常が続いていると感じる1年でした。一方、注目すべきこととして6月に認知症基本法が成立し、日本における認知症に対する施策の理念が示されました。
認知症基本法成立を受けて当センターでは、4月から新しくオプション検査として認知症(物忘れ)健診を追加します。認知症は、高齢化が進む我が国では、喫緊の課題です。実際、65歳以上の方では認知症は約20%、その前段階である軽度認知障害(MCI)も約20%罹患しており、さらにMCIから年5~15%の方が認知症に移行すると報告されています。そのため認知症(物忘れ)健診によってMCIと認知症を早期発見し、認知症の発症・重症化を防ぐ契機になればいいと考えています。また滑川健康管理センターは独自の理念・基本方針・受診者さまの権利・受診者さまの責務を決める予定です。これによりセンターは、目標が明確化され、スタッフが高い志を持ち続けることでより次元の高い社会貢献をできるのではないかと思います。
以上のような新しい試みにより当センターの活動が改善され、皆様の健康維持・増進にさらに寄与できるようスタッフ全員で努力してまいりますので、今年もよろしくお願いいたします。
厚生連滑川健康管理センター所長
山本正和
第27回日本心不全学会学術集会(会期:2023年10月6~8日)で「血中BNPやNT-proBNP値を用いた心不全診療の留意点について」の改訂版が公表され、心不全の診断や循環器専門医への紹介基準となるBNPの値が一部変更されました。それに伴い、11月1日から当センターのBNP検査の判定基準値とコメントを変更しておりますのでご留意ください。
参照:日本心不全学会
「血中BNPやNT-proBNP値を用いた心不全診療に関するステートメント 2023改訂版」
滑川健康管理センターにおいて、新型コロナウイルス感染予防のため中止しておりました呼吸機能検査を、令和5年5月8日より再開させて頂きます。
尚、今後も新型コロナウイルス感染症状況、それに伴う政府発表、各自治体の対応等により、再度健診の一部検査を中止することも考えられます。その際には再度ご連絡させて頂きますので、何卒、ご理解ご協力のほどよろしくお願い致します。
滑川健康管理センター
お問い合わせ先:076-475-2254