令和3年の手術件数 443件
*人工股関節置換術 22件
*人工膝関節置換術 48件
*高位脛骨骨切り術 4件
*上肢・骨折観血的手術 74件
*下肢・骨折観血的手術 99件
*椎弓切除術 23件
*椎間板摘出術 5件
*椎弓形成術(頚椎) 4件
*椎体形成術(胸椎・腰椎圧迫骨折) 14件
*手根管症候群 26件
*その他 124件
頚椎症性脊髄症・後縦靭帯骨化症
頚椎の中心には脊髄神経が通っています。この通り道が狭くなることで脊髄神経が圧迫され、手足のしびれや手足の運動障害、歩行障害が生じる疾患です。頸椎を後方から糸のこぎりのようなワイヤーを使って安全に縦に骨を切って神経の通り道を広げる手術を行っています。
腰部脊柱管狭窄症・腰椎すべり症
脊椎手術について、腰部脊柱管狭窄症に対しては椎弓切除術を行っています。脊椎の動作に過度の不安定性を認める場合には固定術を追加するなど病状に応じた手術を行っています。脊椎の手術においても長期にわたって良好な状態を維持できるよう最適な方法で手術を行っています。
脊椎圧迫骨折
ほとんどの脊椎圧迫骨折は保存治療で治癒しますが、重度の骨折あるいは著しい骨粗鬆症のある方では骨癒合しないことがあります。骨癒合が得られず強い痛みが残った患者さんには椎体形成術(骨折部に人工骨を注入する方法)を行っています。出血量およびリスクは少なく、合併症の多い高齢者にとっても体に優しい方法です。
変形性膝関節症
外来での保存治療で十分に膝の痛みが取れず日常生活に支障が出るようならば手術治療が必要になってきます。変形が軽度の場合には脛骨近位部骨切り術または片側のみの小さな人工関節を行っています。そして変形が進んだ方には膝関節全体を置換する人工膝関節全置換術を行います。患者さんの膝の状態および仕事や活動性を考慮して手術方法を選択しています。手術後のリハビリテーションは術前の身体活動性や術後の痛みによって一律ではありません。患者さんお一人お一人に対応したリハビリテーションを行っています。そして患者さん自身が自宅生活に自信をつけられてから退院していただいています。
人工関節ではおよそ15年から20年の耐用年数と一般にいわれていますが、人工関節を緩むことなく長期間使用するために、正確な人工関節の設置を行うことが必要です。当院では2021年よりナビゲーションシステムを導入して人工関節手術を行っています。ナビゲーションシステムを用いることでインプラントの正確な設置が行えます。
変形性股関節症
加齢や生まれつきの骨形状が原因となり関節軟骨が変性し、摩耗する関節疾患です。当科では末期となり痛みが強く日常生活、歩行機能に支障のある患者さんにナビゲーションシステムを用いた人工股関節置換術を行っています。骨盤側のインプラントの設置位置および角度を適切にすることで無理のない股関節の動きを再建し長期にわたる良好な予後を目指しています。
骨折・外傷
骨折後の身体機能の再獲得のためには早期からのリハビリテーションが必要です。そのためには骨折に応じて適切な手術が必要になります。骨折治療の方法はAO法という世界標準に沿って治療を行っています。当科では骨折は上肢、下肢の骨折ともさまざまな骨折に対応しています。また高齢者の骨折には骨粗鬆症が原因となっている骨折が多いので、骨粗鬆治療も合わせて行っています。
整形外科で手術を受けられる患者さんへ
当科は、日本整形外科学会症例レジストリー(JOANR)構築に関する研究に参加しています。本事業について、患者さんにご理解頂きたい事項を掲載いたします。